通貨戦争

NHKスペシャルで『圓の戦争』というのをやってたのだけど,これが非常に面白かった.

財務省の会計簿を開くと,数百億円にものぼる戦時負債が,償還できないまま引き継がれている…ということから始まり,太平洋戦争での日本の戦費がどのようにして賄われていたか,ある種のマネーゲームを追った番組.朝鮮銀行などが帳簿上で現金を生み出していくトリックととともに,蒋介石がそれにどう対抗したか,この混乱に市民がどう巻き込まれていったかを,インタビューを通して丁寧に辿っていく好番組だったと思う.再放送が19日深夜にあるそうなので,お時間があればぜひどうぞ.

この番組にも出てくるのだけど,蔵相を何度か務めた高橋是清という方がいる.母校にゆかりのある人だったので伝記を読んだことがあるのだけど,日露戦争の戦費調達の話のところが本当に苦しい感じだったんだよね…国民が買ってくれる国債では足りず,外国で債券を売りだすのに苦心していて.

それを,莫大な戦費を帳簿上で誤魔化して,植民地銀行で銀行券を乱発なんてしてたらどうなるかってことデスヨ!当時の紙幣を見た中国のご老人が鮮明に覚えていて,「毎日物価が3倍になる状況だったんだ!それでハタチの若者すら死んだんだぞ!」と憤慨なさってたのが,なんとも印象的だった.

話が飛ぶんだけど,『狼と香辛料』の最初の話に,“通貨の力”についての話が出てくる.いろいろな国がいろいろな貨幣を発行している中で,信用される貨幣はどれだとか,貨幣を発行できなくなった国は経済的には貨幣発行国に首根っこを掴まれちゃうとか,そういう話なんだけど…今の日本では,法定通貨が日本銀行券と貨幣だけだから,ちょっと不思議な気がする.

でも,日本も昔は第***銀行みたいな銀行がみんな銀行券を発行してた時代もあるんだよね.スコットランドを旅行した時は,スコットランド銀行とかが発券してる紙幣がイングランド紙幣と共存してたし…冷静に考えると,通貨って奥が深いなぁって思う今日この頃.

前にも似たようなことを書いたんだけど,私がいまのヴァナで残念だなって思うのは,ギル以外の貨幣がアイテム扱いになってしまってること.例えば,アトルガンではアトルガン硬貨以外流通させないとか,過去世界では古銭しか使えないとかあったら,(まぁ正直めんどくさいんだけど)面白かったんじゃないかなって思うんだよね.お金についていろいろ考えるきっかけにもなって.

時々,キキルンのストで両替できないイベントみたいのを起こしてみたりしてもいいかもしれない(笑)

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