重厚かつ充溢したゴシック建築

『地球ドラマチック』でゴシック教会についてやってた.相変わらずいい番組をピックアップしてるなぁ…

ロマネスク様式では,構造を石組みの自重で安定させてたので,高さに限界があったし,開口部も広くとれなかったらしい.それがゴシック様式では,より応力に強い尖頭アーチと,それを組み合わせたリブ・ヴォールト,さらにアーチを外から支持する飛び梁という技術によって,高さと,より広い開口部を確保できるようになったとのこと.そして,構造体としての役割が減じた壁には華麗なステンドグラスを埋め込み,光に充溢した空間が生み出された…

でも,構造計算など十分ではなかった当時のこと,当たって砕けて…な部分もあったらしい.アミアン(Amiens)では飛び梁の高さが低すぎて,構造に歪みが来たんで200年経ってから飛び梁を追加したとか,ボーヴェー(Beauvais)に至っては2度も崩壊したのに立て直すとか(結局,今でも不安定なんで,鉄骨の筋交いで補強してる),はっきり言って「お前らいい加減にしろよ!」って感じだけど…まぁ,それだけ神の国を目指したかったってことなんだろう.

Corpus Christii(キリストのご身体)としての教会,全ての意匠は天界の体現のためになされている.東西方向に長いラテン十字架の形の教会,祭壇はキリストを象徴する東奥に.十字架中央のスペースは箱舟にならって50ロマン・フィートに(Amiens ?).偉大なソロモンの神殿は1階も2階も30キュビトだったというから,1階と2階は30ローヤルフィートに(Notre Dame de Paris).床から天井までの高さは,神の都の城壁にならって144ロマン・フィートに(Amiens ?)…そして,光を取り入れる窓には,神々とキリストの物語を綴った色ガラスを.

…なんというか,ここまでくると,もう凄いというか猟奇的というか,ちょっと寒気がしてくるよねぇ(キリスト教圏の強さ、ってこういうところから来るんだろうなって思う).ていうか,cubitとfootじゃ単位違うから意味なくね!?って気もするんだけど…そのへんどうなんだろう?うーん.

あんまり関係ないけど,いまブルゴーニュ地方では「ゲドロン城」(※注:音が出ます!)っていう,中世のお城を当時の技法で作るプロジェクトが進んでるらしい.こっちもなんか面白そう!

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