せかいの ほうそくが みだれる!!

今月は課金してないんで、ヴァナネタはないわけなんだけど…暇だからブログに何か書きたい。ていうことで、今日は代わりに書籍紹介でもしてみようかな。ちょうど読み終わったところだからさ。へへっ…ダメ猫でさーせん^^;
ええと、紹介したいのはね、『生物と無生物のあいだ』『マックスウェルの悪魔』っていう本です!前者は生命科学、後者は物理学についての本なんだけど、どっちも「エントロピー」についてのお話なので、一緒に読むのも面白いんじゃないかと思うんだよね。まぁ、詳細をちょっとだけ追記しとくけど。
ちなみに、「エントロピー」ってのは”乱雑さ”のこと。例えば「砂糖は水の中に溶けて広がっていく」とか「水と熱湯を混ぜるとぬるま湯になる」とかっていうように、この世界の物事は放っておけば”でたらめ”な方向に向かうわけだよね。それを科学では「エントロピー」として捉えてる(らしい)んだけど…これ、定量化して数値にした人は天才だと思う。マジで。
とめどない時間の流れの中で、この世界はどこに行こうとしているのか。その答えが、エントロピーの中にあるんじゃないかな。

エントロピーって…エタイガシレナイよね。

ていうか、そもそもエントロピーのことを知らないっていう人も、かなり多いんじゃないかって思うけど。だって、エントロピーの概念をきちんと習うのは、普通は大学の「熱力学」だからさ。高校物理はどうなのか知らないけど、少なくとも高校化学では「ル・シャトリエの原理」とか「乱雑さ増大の法則」とかでごまかした記憶が…。
そもそも、この大学の「熱力学」だって、苦手な学生が多いっていういわくつき(笑)。かくいう私が不可ったんだから間違いない。…いや、冗談抜きにさ、苦手な学生が多いっていうのは教える側も承知なんだよ。実際、どの先生も、学生に理解してもらうために涙ぐましい努力をしてたからねぇ(それでも不可る私って、一体…)。だけど、理系でも生物系とかだったら、エントロピー知らなくても生きていけるんだよね。ヘタすりゃ理工系でも分かってない人いるのかもしれないし。
でも、やっぱりそれじゃマズいと思うわけだよ。エネルギーと並ぶ重要な概念である、エントロピーを知らずに終わるっていうのは。だって、この世界の基本法則が分かってないって、気持ち悪いじゃん。だからこういう本を読んでみたりしたのだ。
では、本題の書籍紹介。

「マックスウェルの悪魔」(講談社・ブルーバックス)
著者の都筑卓司さんは有名らしい。教養書をたくさん書かれた、聡明な物理学者で…って、そんな御託どうでもいいか。なんという良著 見ただけで頭のよさが伝わってきてしまった (^o^)
それはさておき。さっきも出てきた熱力学なんだけど、エントロピーが登場するのはその第二法則、「時間とともに、物事は乱雑さが増大する方向に進行する」ってところなんだよね(ちなみに第一法則は総エネルギー不変の法則)。だけど、これは第一法則とは違って、時間の不可逆性とか確率的な根拠に基づいてる…そのあたりが”ビミョー”に思えるわけで。ひょっとすると、何か見落としがあるんじゃないかっていう気がしちゃう。そんなことを書いた本です。
平たく言っちゃうと、「お湯と水を混ぜるとぬるま湯になる」って言ってるのがこの法則なんだけど、「ぬるま湯の中の”元気のいい”分子だけが”偶然に”左側に偏って、その結果、左側だけが熱湯に分かれちゃうことはありえないの?」って思えるわけですよ。そう思ってる時に、マックスウェルの悪魔が「フヒヒ、おじさんが仕切り板で見張ってて、”元気のいい”分子だけを左側に通すように窓を開け閉めしてあげよう」ってささやくんですよ。そういう話。
軽妙な文章で、分かりやすく書いてあると思うんで、いい本だと思うんだよね。話はどんどん広がって、最後には人間社会や宇宙にまで広がっていく。ただ、この部分はちょっと気をつけて読んだほうがいいかも。間違ったことは言ってないような気がしたけど、自然科学の法則は安易に社会科学に適応するとアブナイ側面もあるんで(社会ダーウィニズムとかね)。だけど、本当に素晴らしい「啓蒙書」だと思ったので、私のように熱力学苦手な人には読んでほしいなぁ。
なお、この本は『蘇るMaxwellの悪魔』というサイトで知りました。感謝。

「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書)
続いて、福岡伸一さんのこの本。さっきの本は、物理学者が半ば哲学的に書いたものなのに対して、この本は、分子生物学者が生物学者としての視点から書いてる感じの本です。バイオのはなしをつらつら書いた随筆っぽい新書なんだけど、その中にエントロピーに関する記述があるので、そこつながりで紹介。
放っておくと、世の中の物事はバラバラになるはずなんだけど、だとしたら生き物はどうやって秩序を保ってるんだろうってことになるわけだよね。そこに着目した生物学者もちゃんといるわけで(生物選択者としては残念なことに、その多くは物理出身の方々…)、筆者はそういう研究を踏まえて、生き物を「動的平衡にある流れ」として捉えようとしている。生き物は、乱雑さを排除するためにこそ、絶えず体内の物質を置き換え続けているんだ、っていう考え方。この考え方は、今まで聞いたこともなかったよ。なかなか斬新で面白いと思うので紹介。
なお、この本は「最近売れてるらしい」ってことで(笑)、予備校の講師の方に教わりました。感謝。

P.S. 関連本として、シュレーディンガーの書いた『生命とは何か』について、8月31日の記事に書いといたよっ!

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