パリのガルニエ宮に行きたい!

週末は3連休になった。なったっていうか、単純に金曜日の模試なんか行かなかった、ってだけなんだけど(汗)。まぁ、その分だけ、リフレッシュできたからいいんじゃないかね。
今週末は、映画をいろいろ見てたりする。『パプリカ』が面白かったってのはちょっと触れたけど、今週末のブームは『オペラ座の怪人』。2004年の映画で、ウェバーによるミュージカルを映画化したものです。いや~、これは雰囲気があっていいよ!ストーリーはラブロマンスで退屈なんだけどさ(汗)、19世紀末のパリの社交界の優雅さが、いい音楽に乗って広がっていく風景は、一見の価値があると思う。
劇団四季版の『オペラ座の怪人』は、今は京都かどっかでやってるんだっけ。まぁ、機会があったら見てみたいけど、何よりも本場の「オペラ座」で『蝶々夫人』でも聴いてみたいもんです。やってるのかどうかは知らんけど。
余談。オペラ座はパリ市内を転々とした歴史があるようなんだけど、あっちこっちでテロだったり火災だったりが頻発してるっぽい。まぁ、実際の19世紀はもっとキナ臭かったってことなんだろうね。

さらに余談。ブラボーの用法。

『オペラ座の怪人』の冒頭、クリスティーヌが初めてのソロを歌いきる場面でのお話。ラウル子爵が幼馴染のクリスティーヌに気づいて、「ブラボー!」って賞賛するんだけど…その直後、オペラ座の支配人は「ブラーヴァ!ブラヴィッシーマ!」って叫ぶんだよ。一体何が違うんでしょう、先生。確か前に調べたことがあったはずなんだけど、すっかり忘れちゃったんで、この際きちんと確認してみた。
結論から言っちゃうと、イタリア語の”Bravo!”は、対象が何であるかによって使い分けなくてはならないのだ!厳密な活用は以下の通り(括弧の中は最上級!):

男単 bravo (> bravissimo)
男複 bravi (> bravissimi)
男女混成も、この男の複数扱いで。
女単 brava (> bravissima)
女複 brave (> bravissime ?)
使う機会、少なさそう…。複数形は自信なし。

だから今回の場合、イタリア語的に正しいのは支配人!逆に、パトロンになったばかりのラウル子爵は未熟さがバレちゃってるわけで、だからこそ後でファントムに「未熟な青二才!」って笑われちゃうんだね。
ちなみにファントムはというと…サントラ版では「ブラーヴィ…ブラヴィッシーミ…」って呟いてます。これは…出演者全員の賛美、ってことでいいのでしょうか!?凄い。なんという人間性の深さ。その心の広さに、乾杯(笑)。
…話をもとに戻して。実は、これは『オペラ座の怪人』のファンの人にはよく知られてる話らしいです。だから、映画の字幕が全部「ブラボー!」で一括りにされちゃった時には、かなり異論もあったみたい。でも、個人的にはどうでもいいような気がする。だって、字幕は所詮、字幕だからねぇ。
戸田さんは誤訳が多いかもしれないけど、字幕の限界は一番よく分かってると思う。俳優の口パクに合うように、時間内にスムーズに読めるように…って頑張ったとき、できることには限りがある(翻訳とは違って、ブラボーの用法を訳注に入れることなんてできないからね)。そうしたとき、文化の違いを意識させずに、スムーズに話を進めるベストな方法は、「ブラボー!」でごまかしちゃうのが一番だったんじゃないかな。
そもそも、上の活用だって、所詮は「イタリア語」での話。ブラボーはイタリア語本来の世界を離れて広がっていった言葉だし、実際、アメリカ人とか日本人は、全部「ブラボー!」で一括りにしちゃうことも多いわけだからね。そんなカリカリしなくてもいいじゃん?

とはいえ、オペラとかって”通”が多い場所。雰囲気を大事にしようと思うなら、あるいは物語世界を本当に自分のものにしたいなら、こういうティップスを頭に入れておくのも面白いのかもしれないね。もっとも、「ブラボー」なんて叫ぶ機会、そんなにないけど(笑)。そもそもオペラなんて行かないし…。

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