黒部の太陽

黒部ダムに行くと,二言目に出てくる「『黒部の太陽』でお馴染み…」というフレーズ.しかし40年以上前の作品,今はもうなかなか観る機会ってのもないと思うんだけど…と思っていたら,ちょうど『裕次郎の夢』という全国チャリティ上映会をやっていた!

オリジナルの予告編はこちら:

予告編を観ただけでも,この50年間でずいぶん変わるなぁ…という印象を受けた.もちろん編集技術の向上とかも大きいんだけど,それと並んで日本人の嗜好の変化も大きいんだろうなと(当時は結構しんみりした作品が好まれていたんだろうけど,今はド派手なCGの時代だもんねぇ…).

一言で言えば,古い作品だろう.映像も音声も少し褪せてしまっている.描かれるストーリーも昭和だ.時代は復興から高度成長へと移り変わる頃.描かれるのは,仕事一筋の男たち.そしてそれに寄り添う,しおらしい女たち.

でも,なかなかいい作品.全体的に情熱というか熱意というか,気合が込められているのを感じる.俳優の演技はちょっと古めかしいけど,真摯だし,上手い.撮影もいいと思う(時々,今は失われてしまった撮り方もあって,あっと息を呑んだ).何より,壮大なセットが凄かった.予算的には決して潤沢とは言えなかったらしいけど,実際に建設に携わった企業が協力したおかげもあってか,ずいぶん大規模な撮影をやっている.貴重なノーカットということで3時間半くらい(休憩を含めると)かかる超大作だったけど,今も観るものを全く飽きさせない,むしろスクリーンに釘付けにしてくれる名作だと思う.

「こういった作品は劇場で観てほしい」という裕次郎の意向から,『栄光への5000キロ』と並んでソフト化されていなかったらしいけど,来年ついにDVDが発売されるらしい.けれど,彼の気持ちを汲むという意味でも,ぜひ劇場に足を運んで観てほしいなって思った.

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